世界遺産

マカオにある世界遺産の特集です。22の歴史的建造物と8つの広場を含む地域が「マカオ歴史市街地区」として2005年に世界遺産に登録されています。各歴史的建造物と広場について、世界遺産一覧と題してご紹介しています。

  • リラウ広場
  • 聖オーガスティン広場
  • セナド広場
  • バラ広場
  • 大堂広場
  • 聖ドミニコ広場
  • イエズス会紀念広場
  • カモンエス広場
  • 媽閣廟
  • 港務局
  • 鄭家屋敷
  • 聖ローレンス教会
  • 聖ヨゼフ修道院及び聖堂
  • ドン・ペドロ5世劇場
  • ロバート・ホー・トン図書館
  • 聖オーガスティン教会
  • 民政総署
  • 三街会館
  • 仁慈堂
  • 大堂
  • 盧家屋敷
  • 聖ドミニコ教会
  • 聖ポール天主堂跡
  • ナーチャ廟
  • 旧城壁
  • モンテの砦
  • 聖アントニオ教会
  • カーザ庭園
  • プロテスタント墓地
  • ギア要塞

リラウ広場

「リラウの水を飲んだ者は決してマカオを忘れることはない」という伝説で知られている広場です。かつてはこの地に貴重な天然の泉があったことから、このような伝説が生まれました。

現在は一般の広場のように整備されているため、その様子をうかがうことはできませんが、広場の奥の壁にある2つの口からは今も水が流れ続けています。広々とした広場ではないものの、歴史を感じさせる中華風・欧米風の建物が軒を連ねており、レトロな雰囲気が漂っています。

聖オーガスティン広場

聖オーガスティン教会、ドン・ペドロ5世劇場、聖ヨセフ修道院及び聖堂、ロバート・ホー・トン図書館が集結している中心部にある広場です。マカオを代表する広場の一つとして知られており、綺麗に敷き詰められた石畳がヨーロッパの雰囲気を感じさせます。周囲の建物や街灯などもいい雰囲気を醸し出しています。

セナド広場

マカオ観光の起点にもなる、街の中心的存在の広場です。広場の中央部には噴水が設けられているほか、夜になると周囲の建物もライトアップされて、非常にロマンティックな雰囲気となります。

マカオ市民の憩いの場として、そして外国人観光客の観光名所として人気のあるセナド広場では、現在も各種イベントや祝典などが開催されています。なお、セナド広場から聖ポール天主堂跡までは歩行者天国となっており、各世界遺産をゆっくりと歩いて見て回ることができます。

バラ広場

媽閣廟の前に広がっている広場です。曲線のデザインをした石畳が敷き詰められており、デザインがとてもユニークです。広場にはベンチが設けられていて、マカオ市民や外国人観光客が思い思いの時間を過ごしている姿をよく見かけます。

ちなみに広場の名称ですが、こちらはかつて背後にある丘にバラ要塞と呼ばれる砦があったことに由来しています。

大堂広場

大堂(主教座堂)の前に広がっている広場です。マカオを代表するセナド広場や聖オーガスティン広場と同様に、石畳が敷き詰められており、このあたりはヨーロッパの雰囲気を強く感じることができます。

観光の起点となり、多くの観光客で賑わうセナド広場から、100メートルも離れていませんが、こちらの広場は静かで落ち着いた雰囲気を持っています。

聖ドミニコ広場

聖ドミニコ教会の前に広がっている広場です。波のようなデザインをした石畳が敷き詰められており、おしゃれなヨーロッパの街のような印象を受けます。広場にはヤシの木が立っているほか、おしゃれなレストランやショップなどもあり、マカオに住んでいる市民の方や外国人観光客でよく賑わっています。

イエズス会記念広場

マカオ最大の観光名所である聖ポール天主堂跡の前に広がっている広場です。聖ポール天主堂跡には幅の広い階段が設置されていて、その光景には強いインパクトを受けます。聖ポール天主堂跡のファサードを背景にして写真撮影をする絶好のスポットということもあり、いつも観光客でよく賑わっています。

カモンエス広場

聖アントニオ教会とカモンエス公園の間にある広場です。聖アントニオ教会はんまかおで最も古い教会として、そしてカモンエス公園はマカオで最も古い公園として、それぞれよく知られています。外国人観光客の姿はそれほど多く見られませんが、地元から愛されており、地元の方々の憩いの場となっています。

媽閣廟

マカオにある最も歴史の長い中国式寺院です。中国や台湾で広く信仰されている航海の女神「阿媽(アマ)」を祭っています。正殿・正覚禅林殿・弘仁殿・観音閣といったように4つの堂から構成されています。正殿は1605年に最初に建てられ、その後長い年月をかけて1800年代に全ての堂が完成し、現在の姿となりました。

港務局

1800年代のポルトガル統治時代に築かれた建物で、当時はマカオの治安維持のために雇われたムーア人の兵士の寄宿舎として使われていました。

白とクリーム色を基調とした外観が壮大で美しく、そして特徴的です。現在もこの建物は活用されており、中にはマカオ港務局事務所と海上警察本部が入っています。

鄭家屋敷

1881年に建てられた屋敷跡です。中国屈指の資産家で、そして孫文や毛沢東に影響を与えた文豪として知られる鄭観應(ていかんおう)の父が、この屋敷を建てました。約4,000平方メートルもの敷地に母屋や車庫など多くの建造物が集まっています。

中国や西洋・インドなどの建築様式を取り入れており、外観も内装もユニークに感じられます。

聖ローレンス教会

1558年から1600年にかけイエズス会によって建てられた大きなカトリックの教会です。建設された当初は木造でしたが、1846年に再建され、現在の姿となりました。幅29メートル奥行き37メートルという大きなサイズで、内装も外観も壮大さを感じさせます。

ローレンスの生涯を描いた6枚のステンドグラスや、リストとフランシスコ・ザビエルとアントニオの像などが見所となっています。

聖ヨゼフ修道院及び聖堂

白とクリーム色を基調とした外観がとても美しい聖堂です。もともとはイエズス会アジア布教の宣教師育成所として修道院が建設され、それから約30年後に聖堂が併設され、現在の姿となりました。

中国バロック建築の代表作として知られており、修道院は一般には非公開ですが、聖堂は中に入って見学することができます。ドーム型の天井や教会には欠かせないステンドグラスなどが特徴的です。

ドン・ペドロ5世劇場

当時のポルトガル国王の名前が由来となっているこちらの劇場は、1800年代後半に中国で初めてできたオペラハウスです。マカオ在住のポルトガル人による男性専用社交クラブ「マカオ・クラブ」によって建てられました。

座席数は約300席で、コンサートやオペラ・記念式典・セレモニーなどが開催されてきました。現在は一般には非公開となっているため、中を見学することはできませんが、その優美な外観を見て雰囲気を味わうことができます。

ロバート・ホー・トン図書館

香港の大富豪ロバート・ホー・トン卿が別荘として使っていた邸宅を、図書館として公開しています。もともとはポルトガル人ドナ・キャロリーナ・クンハの邸宅でしたが、ロバート・ホー・トン卿が1918年に購入し、別荘として利用していました。

彼は1955年にお亡くなりになりましたが、その後マカオ政府に彼の収蔵品と建物が寄贈され、図書館として一般に公開させるようになったのです。マカオに暮らしている人々によく利用されています。

聖オーガスティン教会

小高い丘の上に建っている白とクリーム色を基調とした外観を持っている教会です。もともとは1500年代後半に聖オーガスティン修道会が木造の修道院を建てたのが始まりで、その後1800年代後半に再建され、現在の姿となりました。

大理石造りの優美な祭壇のそばにはキリスト像が祭られており、1年に1回この像を男性信者が担いで、セナド広場周辺にある大堂まで移動する「パッソス聖体行列」という宗教儀式が非常に有名となっています。

民政総署

観光の起点となるセナド広場に面して建っている、ネオクラシック様式の外観が特徴的な建物です。こちらは政府機関となっており、飲食店営業の許認可や、各種文化活動などといった行政事務を行っています。

豪華な作りをした内部を見学することができ、建物の2階には歴史を感じさせる図書館も入っています。マカオの観光で欠かすことのできない重要なスポットですので、ぜひ足を運んでみてください。

三街会館

あまり目立たないため、世界遺産と思われずに見逃されがちなのですが、聖ドミニコ市場の前に建っているこの寺院も立派な世界遺産です。

ヨーロッパ調をした設計の教会や聖堂が多い中、こちらは中国式の寺院で、かつては中国人コミュニティーにとって重要な宗教的役割を持っていました。あまり大きくはありませんが、内部を見学することができます。

仁慈堂

セナド広場に面して建っている一際目立っている純白の建物です。1569年にアジアで初の慈善福祉施設として建設され、当時は病院・孤児院・養老院などといった役割を果たしていました。

1905年にネオクラシック様式とマヌエル様式を融合させた設計で再建され、現在の姿となりました。ちなみに現在は公証役場として使用されているほか、2階部分は仁慈堂博物館として営業しています。

大堂(主教座堂)

セナド広場からほど近いところにある大きな教会です。1500年代中盤にマカオ司教区が置かれた際に、その活動拠点としてこの教会が建設されました。長い年月をかけて修復や政権が繰り返され、現在の姿となったのは1937年のことです。

白を全面的に使った外観と、ステンドグラスが美しい教会内、ともに見事な仕上がりで、多くの観光客が訪れています。

盧家屋敷

中国を代表する貿易商として知られた廬華詔(ロウワシオ)の屋敷です。1889年に建てられたこの屋敷は、中国式住居ではあるものの、外観も内装も中国とヨーロッパの建築様式を融合させてデザインされています。

当時マカオで1,2を争うほどの大富豪となった彼はその後、ロゥ・リム・イォック庭園を造営したり、マカオ商工会議所の創始者にもなっています。

聖ドミニコ教会

白とクリーム色を基調としたバロック様式のファサードが綺麗な教会です。マカオで最も美しいファサードとまで賞されています。もともとは1587年に建てられた木造の礼拝所が始まりで、その後1800年代初頭に再建され、現在の姿となりました。

教会内を見学できるほか、建物裏手にある鐘楼は博物館として公開されており、宗教関連のコレクションが充実しています。

聖ポール天主堂跡

イエスの使徒である聖パウロに捧げられた大聖堂跡です。1600年前後に建設された当時はアジアで最も大きなカトリック教会で、「ローマ以東でもっとも傑出した教会」と言われていたほど評価の高かった教会でしたが、火事によって建物のほとんどが消失してしまい、現在のようにファサードのみが残るという形になりました。

現在はマカオのシンボル的存在として、観光客から高い人気を誇っています。なお、ファサード裏手の地下には天主教芸術博物館と納骨堂が設けられており、併せて見学なさってみてはいかがでしょうか。

ナーチャ廟

西遊記にも登場している神童ナーチャを祭っている中国式寺院です。1800年代末にこの地域で疫病が蔓延したときに、その厄払いとして建てられました。

建物自体はこぢんまりとしているのですが、マカオのシンボル的存在である聖ポール天主堂跡と並ぶようにして建っている姿が、東洋と西洋が共存しているマカオを象徴するとの理由から世界遺産に登録されました。

旧城壁

1500年代半ばのポルトガル人がマカオに住み始めた頃に作られた歴史の長い城壁です。当時ポルトガルでは自分たちのコミュニティ・生活圏を守るために、周囲に城壁を作るという習慣があったため作られました。マカオのみならずポルトガル人が当時住んでいた地域では同様の城壁を見ることができます。

モンテの砦

マカオの小高い丘の上に建てられた砦です。1600年代初頭に築かれた砦で、軍の宿泊施設や大砲・武器兵器貯蔵庫などが設けられていました。

1960年代になってポルトガル軍が撤退するまでは軍事施設として利用されていましたが、現在はこの地にマカオ博物館が建設されています。この博物館ではマカオの文化や歴史・生活様式などといった項目について見て学ぶことができます。

聖アントニオ教会

1565年にイエズス会修道士が本拠地としていた教会です。そのため、、マカオでのキリスト教発祥の地といわれています。当時は木と竹で教会と司祭館が作られており、2度にわたって火災により焼失してしまいましたが、1900年代に入って再建と改修が行われ、ネオ・クラシック様式の石造りの教会となりました。

聖アントニオは婚姻を保護する神としてマカオでは非常に有名で、昔から多くのポルトガル人がこの教会で結婚式を挙げてきました。

カーザ庭園

カモンエス公園とプロテスタント墓地の間にある庭園です。1770年にポルトガルの豪商であったマヌエル・ペレイラが建てた邸宅跡で、ヨーロッパの雰囲気と南国の雰囲気が融合しています。

ただ庭園を見学することもできますが、邸宅は現在、絵画を展示するギャラリーとなっていて、誰でも無料で入ることができるので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

プロテスタント墓地

マカオにはカトリックの教会や施設が数多く存在しますが、こちらは1821年に初めてマカオで建てられたプロテスタントの墓地です。カーザ庭園に隣接しており、この地にはアメリカやイギリスの宣教師をはじめとした約150人の方が眠っています。

墓地の入り口には「モリソン礼拝堂」があります。この礼拝堂は、当時聖書の中国語訳を行ったイギリス人宣教師ロバート・モリソンを記念して建てられたものです。

ギア要塞

ギア教会とギア灯台から構成されている世界遺産です。マカオで一番高い場所(ギアの丘)に建っており、マカオの街を見渡すことができます。ギア教会は1626年頃に建てられた聖母礼拝堂で、1996年に補修工事が行われ、現在の姿となりました。

ギア教会のすぐ隣にはギア灯台が建っていて、こちらは1865年に建設されました。中国沿岸初の近代的灯台としてよく知られていました。