世界遺産

フィレンツェにある世界遺産の特集です。「フィレンツェ歴史地区」という登録名でサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やサンタ・クローチェ聖堂を始めとする数々の歴史的建造物が世界遺産に登録されています。以下が一覧と解説です。

  1. サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
  2. ヴェッキオ宮殿
  3. ウフィツィ美術館
  4. ピッティ宮殿
  5. ボーボリ庭園
  6. サンタ・マリア・ノヴェッラ教会
  7. サンタ・クローチェ聖堂

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は、「花の聖母マリア」の意味を持つ大聖堂です。ドゥオモ、サン・ジョヴァンニ洗礼堂、ジョットの鐘楼という3つの建築物から構成されています。

フィレンツェのシンボル的存在であるドゥオモは、彫刻家アルノルフォ・ディ・カンビオの設計で1296年から140年以上もの年月をかけて建てられました。建物裏手にはドゥオモ附属博物館があり、ミケランジェロやギベルティらの作品が展示されています。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂はサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂付属の洗礼堂で、11世紀半ばに作られたフィレンツェでも最古の建造物の一つです。ギベルティによって装飾が施された東側の扉が特に有名で、後にミケランジェロが「天国の門」と称えたことから、この名前で呼ばれています。

ジョットの鐘楼はドゥオモの脇に建設されている高さ約84mの鐘楼です。6ユーロで最上階まで上ることができ、そこからの眺めは絶景です。クーポラを間近で見ることができるほか、フィレンツェの街並みを一望することができます。

ヴェッキオ宮殿

シニョリーア広場に面して建っている宮殿で、アルノルフォ・ディ・カンビオによって建設され、当時は政庁舎として使用されていました。

メディチ家当主のコジモ1世が16世紀に居城とした際に、内部をルネッサンス様式に改装したと言われています。現在は市庁舎として活用されていますが、「500人大広間」や「ゆりの間」などといった部屋を見学することができます。

2007年には「500人大広間」にあるヴァザーリの壁画の裏側にレオナルド・ダ・ヴィンチの幻の壁画「アンギアーリの戦い」が隠されているとイタリア文化庁から発表され注目を集めました。

ウフィツィ美術館

ウフィツィ美術館は、前述のヴェッキオ宮殿とアルノ川に挟まれた場所に建っている美術館です。近代式の美術館としてはヨーロッパ最古と言われています。

メディチ家歴代の美術コレクションを収蔵しており、古代ローマ・古代ギリシャ時代の彫刻からレンブラントの作品まで、収蔵品は多岐にわたりますが、なんと言ってもボッティチェッリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなどといったイタリアルネサンスの巨匠らの作品が最大の見所です。

地元からも外国人観光客からも人気の美術館となっており、予約制度が設けられていますので、可能であれば利用した方が良いでしょう。

ピッティ宮殿

ピッティ宮殿は、アルノ川の西岸に位置し、前述のウフィッツィ美術館とヴァザーリの回廊で結ばれている大きな宮殿です。

15世紀半ばにフィレンツェの銀行家ルカ・ピッティが建築家フィリッポ・ブルネレスキに依頼して建てさせたルネサンス様式の宮殿で、ファザードの長さは200メートルを超えます。宮殿の内部には「ピッティ美術館」「近代美術館」「銀器博物館」「衣装博物館」「陶磁器博物館」「馬車博物館」があります。

ボーボリ庭園

ピッティ宮殿の背後に広がる総面積4万5000平方メートルに及ぶ大きな庭園です。コジモ1世が自身の妻エレオノーラの健康のために造営したと言われています。園内には数々の泉や噴水・池・彫刻などが配置されており、のんびりとした時間を過ごすことができます。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

ドメニコ派の聖堂として14世紀後半に完成したゴシック様式の建物です。内部には世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」があります。幾何学模様をしたファザードも有名ですが、レオナルド・ダ・ビンチが3年間暮らし、モナリザの製作を行った場所としてもよく知られています。

サンタ・クローチェ聖堂

イタリアで最大の会派フランチェスコ会の主要な教会で、カトリック教会のバシリカです。ミケランジェロやガリレオ・ガリレイ、マキャベリ、ロッシーニなどの墓があることでも有名です。教会前の広場でのんびりと時間を過ごすこともできます。