世界遺産

ユネスコの世界遺産に登録されているイタリアの文化遺産・自然遺産の一覧です。2012年現在、全部で45箇所が登録されており、スペインや中国を押さえて、世界で最も世界遺産が多い国となっています。

世界遺産の数がナンバーワンであるにもかかわらず、自然遺産は3つ、複合遺産に至ってはゼロと、意外な結果になっています。見方を変えれば、それだけ文化遺産の数がずば抜けて多いと言うこともできます。教会・キリスト教に関連した歴史的建造物が多いのも特徴的です。

それでは以下に一覧でまとめてみたいと思います。表の最初に登場する4都市の世界遺産から先は、時系列で登録された順に並べてご紹介しています。

ローマの世界遺産一覧
「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」という登録名で、コロッセオやフォロ・ロマーノを始めとする数々の歴史的建造物が世界遺産に登録されています。
ミラノの世界遺産一覧
「レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院」という長い登録名です。ミラノに来たら外すことのできない観光名所です。
ベネチアの世界遺産一覧
「ベネチアとその潟」という登録名で、サン・マルコ広場やサン・マルコ大聖堂、リアルト橋を始めとする数々の歴史的建造物が世界遺産に登録されています。
フィレンツェの世界遺産一覧
「フィレンツェ歴史地区」という登録名でサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やサンタ・クローチェ聖堂を始めとする数々の歴史的建造物が登録されています。
ヴァルカモニカの岩絵群 イタリア北部のアルプスの山麓にある世界遺産です。イタリアで1番最初に登録されたものとしても知られています。ヴァルカモニカ渓谷の岩に約8000年間に渡る線刻画が残っています。
ピサのドゥオモ広場 洗礼堂、大聖堂、鐘楼、墓所回廊の4つが建っているピサのはずれにあるドゥオモ広場です。特に鐘楼はピサの斜塔として、日本でもよく知られています。
サン・ジミニャーノ歴史地区 フィレンツェから50キロほど南に位置しているサン・ジミニャーノにある中世の街並を残す地区です。標高324メートルの丘の上にある塔の街として知られています。
マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園 バジリカータ州の町マテーラにある洞窟住居です。ローマから長距離バスが出ていて、約6時間で到着します。
ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオのヴィッラ ヴィチェンツァとヴェネト州一帯にあるパラッツォとヴィッラです。15世紀に活躍した建築家アンドレーア・パッラーディオによって設計されたものが登録されています。
シエーナ歴史地区 イタリアの古都シエーナにあるシエナ大聖堂やパラッツォ・プッブリコなどを中心とした中世の町並みが残された地区です。
ナポリ歴史地区 ナポリにある王宮、卵城、カテドラル(大聖堂)、ヌオヴォ城、サンテルモ城、サンタ・キアラ修道院、サン・マルティーノ修道院などが世界遺産に登録されています。
クレスピ・ダッダ 労働者のための理想郷としてアッダ川とブレンブロ川が合流する三角地帯に建設された、労働者のための町です。
フェラーラ:ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯 ポー川の支流ヴォラーノ川流域にあるフェラーラと、ポー川デルタ公園を中心としたエリアです。
デル・モンテ城 イタリア南部プーリア州アンドリアの南約20キロのところにある城です。1ユーロセント硬貨の裏面にはこの城が描かれています。
アルベロベッロのトルッリ アルベロベッロにはトルッロという建物が約1,000軒あり、それが登録されています。なお、トルッロの複数形がトルッリです。
ラヴェンナの初期キリスト教建築物群 ラヴェンナにある5世紀初頭から6世紀末に建設された初期キリスト教の聖堂・礼拝堂です。
ピエンツァ市街の歴史地区 ピエンツァは、トスカーナ州シエーナ県のコムーネの一つで、市街地の歴史地区が登録されています。
カゼルタの18世紀の王宮と公園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョ邸宅群 18世紀にヨーロッパで建てられた中で最も巨大な宮殿とその周辺エリアです。カゼルタではスター・ウォーズやミッション・イン・ポッシブルなどといった映画の撮影が行われました。
サヴォイア王家の王宮群 トリノ市中心部のカステッロ広場に面する王宮とその庭園をはじめ、マダマ宮殿、リヴォリ城、カリニャーノ宮殿、ヴァレンティーノ城、モンカリエーリ城、カッチャ宮殿及びストゥピニージ宮殿が登録されています。
パドヴァの植物園(オルト・ボタニコ) パドヴァ大学付属の植物園です。1585年に植えられたヤシの木が植物園内最古の植物で、かのゲーテもこのヤシの木を見て、自然観を学んだと言い伝えられています。
ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群 人口4000人のコムーネであるポルトヴェーネレと、5つの村からなるチンクエ・テッレ、そして周辺の小島群が一緒に登録されています。
モデナの大聖堂、トッレ・チヴィカとグランデ広場 モデナは、モデナ県の県都で、特産品であるバルサミコ酢や、郊外にフェラーリの本拠地マラネッロがあることで有名な町です。ここにある大聖堂、トッレ・チヴィカ、グランデ広場が登録されています。
ポンペイ、エルコラーノおよびトッレ・アヌンツィアータの遺跡地域 1世紀までナポリ近郊にあった都市で、溶岩と火山灰に埋もれた古代都市ポンペイ。そしてそのポンペイと共に埋もれたエルコラーノを中心とした遺跡エリアです。
アマルフィ海岸 ソレント半島南岸の海岸で、世界一美しい海岸と言われています。海岸沿いには小さな町が点在していますが、その中でも最も大きい町がアマルフィです。高級リゾート地として知られています。
アグリジェントの遺跡地域 シチリア島南岸の丘陵斜面にある都市です。紀元前の頃の遺跡が残っており、世界遺産に登録されています。
ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ 古代ローマの別荘(ヴィッラ)で、ローマ時代に描かれたモザイク絵画が数多く残っています。
スー・ヌラージ・ディ・バルーミニ 紀元前1500年ごろより建設が開始されたヌラーゲ(大きな石を塔のような形状に積み上げて作られた建造物)の遺跡です。
アクイレイアの遺跡地域と総主教聖堂バジリカ 人口約3000人の町アクイレイアにある古代遺跡地域と、1031年に建てられた陸屋根のバシリカ式聖堂であるアクイレイア大聖堂が登録されています。
ウルビーノ歴史地区 マルケ州の主要都市ウルビーノの世界遺産です。ドゥカーレ宮殿やラファエロの生家が有名です。
パエストゥムとヴェリアの古代遺跡群を含むチレントとディアノ渓谷国立公園とパドゥーラのカルトジオ修道院 ティレニア海に面しているカンパニア州チレントと、同じくカンパニア州のディアノとパドゥーラの各エリア・施設です。
ヴィッラ・アドリアーナ(ハドリアヌス帝の別荘) ローマの東約30キロのところにある丘陵の上にあるティヴォリという町にある広大な別荘です。建物の数は30を超えます。
ヴェローナ市街 イタリアの北東部、アルプス山脈の麓にある町です。ロミオとジュリエットの舞台となった町として知られています。イタリアで3番目に大きい円形闘技場もあります。
アッシジ、フランチェスコ聖堂と関連修道施設群 アッシジは、イタリア中部のスバジオ山の斜面に広がる町で、フランシスコ会の創立者アッシジのフランチェスコが生まれたことで有名となりました。

この町にあるサン・フランチェスコ聖堂と関連施設が登録されています。
ティボリのエステ家別荘 後期ルネッサンス期の代表的な庭園で、イタリアで最も美しい噴水庭園として知られています。4.5ヘクタールにも及ぶ広大な敷地を有している庭園です。
ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々 シチリア島の東南部にある、カルタジローネ、ミリテッロ・イン・ヴァル・ディ・カターニア、カターニア、モディカ、ノート、パラッツォーロ・アクレイデ、ラグーザ、シクリ。これら8つの町の街並みが世界遺産に登録されています。
ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ 北イタリアの9つのサクロ・モンテが世界遺産に登録されています。サクロ・モンテとはキリスト教の宗教施設で、イタリア語で「聖なる山」を意味します。複数形はサクリ・モンティです。
オルチャ渓谷 トスカーナ州シエナ県にある広い谷です。ヴァル・ドルチャが正式名称となります。このエリアには美しい風景が広がり、中世に起源を持つ様々な街があります。
チェルヴェーテリとタルクイーニアの古墳群 チェルヴェーテリ近郊のバンディタッチャ遺跡と、タルクイーニア近郊のモンテロッツィ遺跡が登録されています。ともにエトルリア人が残した巨大な墓地遺跡です。
シラクサとパンターリカの断崖の墳墓群 シラクサに残る古代ギリシャの都市遺跡と、パンターリカにある、紀元前13世紀から紀元前7世紀までの5000以上の墓が残る巨大墓地遺跡が一緒に登録されています。
ジェノヴァ:レ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ イタリアでも有数の都市であるジェノヴァにある世界遺産です。16世紀後半から17世紀初頭にかけて建てられた、富裕貴族層が住む豪華な館・大邸宅群(パラッツィ・デイ・ロッリ)と、これらの建物のために作られた新道(レ・ストラーデ・ヌオーヴェ)が登録されています。
マントヴァとサッビオネータ 三方を12世紀につくられた人工湖によって囲まれているユニークな町マントヴァと、星形の城塞の中に碁盤の目に整備された完璧な町サッビオネータという2つの町が登録されています。
レーティシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観 レーティシュ鉄道は、スイス東部のグラウビュンデン州を中心に約400kmの路線網を持つスイス最大級の私鉄です。

イタリアの国境をまたぐエリアもあり、スイスとイタリアと合同で世界遺産に登録されています。
エオリア諸島 シチリア島北方と、ティレニア海南部にY字型に並んで浮かぶ島々です。島々はこの海域の海底火山活動により形成されました。
ドロミーティ 東アルプスに属する山群です。リエンツァ川・イザルコ川・ブレンタ川・ピアーヴェ川に囲まれているエリアを指します。